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身近なかわいい動物がいなくなる?- 絶滅危惧種の動物たち -

絶滅危惧種の動物は自分とは縁が遠い生き物だと思っていませんか?実はゾウ、パンダやトラなど幼い頃から動物園で出会ったことのある動物たちも絶滅危惧種として認定されているのです!

この記事では、日本国内の絶滅危惧種を紹介しながら「絶滅危惧種とは何か?」を説明します。

絶滅危惧種の動物とは?

絶滅危惧種の動物とは様々な理由から生息数が減少し、いずれは 個体数ゼロ=絶滅 の可能性が高いとされている動物のことです。日本のシマフクロウやイリオモテヤマネコも絶滅危惧種として認定されています。

世界中の政府機関や団体が動物の絶滅危惧レベルを調査しており、IUCN(国際自然保護連合)がその活動を代表します。

IUCNレッドリスト

IUCNレッドリストとはIUCNが動物たちを絶滅危機のレベルに沿ってカテゴライズしたリストです。近い将来絶滅危惧種になりうる「準絶滅危惧種」や、調査をしたもののまだ危機レベルを判定できない「情報不足種」なども含まれています。

ちなみに日本では、環境省が独自の調査を行って作り上げた国内の動物に特化した「環境省レッドリスト」も発行されています。

なぜ絶滅しそうなのか

昔は繁栄していた動物たちが次々に絶滅危惧種に認定されてしまっている背景には下記のような理由があります。

  • 環境破壊

  • 気候変動

  • 密猟や乱獲

  • 外来種

  • 人間との衝突

これらは人間が原因、あるいは人間の開発などによって加速された自然現象です。

絶滅危惧種に指定されてしまう理由

様々な要因で絶滅危惧種に指定される動物たち
  • REASON1環境破壊

    開発のために森林伐採が進み多くの動物たちが繁殖活動を行える安全な生息地が年々減少しています。また海の石油による環境汚染なども絶滅危惧種の動物にとっては致命的です。

  • REASON2気候変動

    温暖化により生息していた安全な環境に住めなくなったり、渡鳥や海洋生物などの気候・水温に繁殖が左右される動物にとっては繁殖力が失われたり、生態系のバランスが崩れるのも絶滅に繋がります。

  • REASON3密猟や乱獲

    毛皮、伝統医療や漢方の素材、名声、や食料など様々な理由で密猟や乱獲されますが、その多くは違法行為です。

  • REASON4外来種や人間との衝突

    特に島国に多いのは、人間によってイエイヌやイエネコが持ち込まれ疫病が蔓延したり、捕食者に慣れていない絶滅危惧種がイヌやネコに殺され絶滅に追いやられるケースです。また、食糧難で人里を荒らす絶滅危惧種を害獣扱いして殺したり、交通事故や電線事故なども原因になります。

なぜ救うべきなのか

絶滅危惧種を救う活動の理由

純粋に可愛いから、可哀想だから、という理由はもちろんのことですが、実は彼らを守る事で私たち人間のためになることもあるのです。

  • REASON1共存関係にあるため

    私たち人間の生活は生物多様性と豊かな自然によって支えられていて、これらは複雑な関係性で成り立っています。

    例えば北海道ではオオカミが絶滅させられたことによってシカが増殖し、シカは特定の植物を好み食べ尽くし、小動物や昆虫が環境破壊に苦しんでいます。食べられる植物がなくなると人里を侵食し害獣扱いされている現実があります。私たちが絶滅危惧種を救うことで生態系のバランスが保たれ、より良い生活に繋がります。

  • REASON2価値のあるもの

    この世界に存在する全ての種は、今日に至るまで長い年月を経て進化を繰り返して形成されてきたまさに地球の歴史です。人の手によって失われていく歴史を、同じく人の手で守り抜くべきでしょう。

  • REASON3文化の豊かさを守るため

    アイヌ文化や琉球文化など、日本では古くから伝承される言い伝えや民話に絶滅危惧種が登場します。このような動物たちが将来幻の生き物になって 伝承が伝説 にならないためにも、文化と動物を共に守ることが重要になってきます。

国内に生息する絶滅危惧種の動物たち

身近な絶滅危惧種でいえば、上野動物園にはパンダやゴリラなどが展示されています。下記にて国内に生息する固有の絶滅危惧種を紹介します。

  • 北海道に生息する絶滅危惧種

    自然と野生動物が多い北海道には、シマフクロウ、タンチョウ、オオワシやオジロワシなどが生息します。特にシマフクロウは環境省レッドリストにおいて最も危機レベルが高い「絶滅危惧1A類」に分類されています。

  • 沖縄に生息する絶滅危惧種

    同じく環境が豊かな沖縄にはイリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナやノグチゲラなどの絶滅危惧種が生息します。イリオモテヤマネコもシマフクロウと同じ「絶滅危惧1A類」です。

絶滅危惧種の動物を守るためには、まずどの動物が絶滅の危機に瀕しているのか知ることが第一歩になります!そこから一人一人が日常から起こせるアクションを考えていくことで守ることに繋がります。

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